IRIS
IRIS
心に静けさを取り戻す、
紫の花々による柔らかな薫香
連作『四つの花』(1898)のうち
アイリスをイメージした香り。
はじめに感じるのは、パウダリーなバイオレットとヘリオトロープのどこまでも優しい香り立ち。その温もりに浸っていると、ラズベリーの遊び心とチュベローズの濃密な甘さが気まぐれな重奏を紡ぎます。香りの中核をなすアイリスは、スウィートな中にもウッディな土の薫りを含ませてどことなくアンニュイに。それはまるで暮れゆく夕日のように、誰かの胸をセンチメンタルに焦がしてゆきます。次第にバニラとムスクが華やかなハーモニーを奏で、切なさが明日への希望へと変わってゆく。そんなエンディングにも酔いしれて。